画材とのつきあい方

美術

先日、油彩を再開するために画材を買い足した際に数本の油絵具とともに木のパレットを購入しました。

いまどき木のパレットを使っているなんて少数派なのかもしれません。
随分と昔から、利便性の高い紙製の使い捨てパレットが主流になっているようですから。

学生時代にはホームセンターなどで板を買ってきて油止めの処置をしてパレットにしている人もいました。
わたしも試したことがあるのですが、大作をかくときには便利な方法だと感じました。

 

わたしは高校生の頃に油彩を学び始めたのですが、その頃に最初に手にしたのは木製の工具箱のようなケースに入った油彩セットでした。

そのセットの中に、二つ折りにすることでケースに収まるサイズの木製パレットがありました。
それを7年ほど使っていました。

 

途中から紙製パレットと併用していた時期もありましたが、やっぱりペインティングナイフのあたりの良さは木製パレットのしっかりとした質感が一番だと感じていました。

 

 

 

本来は制作を中断するごとに絵の具をそぎ落として、その後にウエスで拭いて少量の油で磨いて手入れをすると良いと言われています。

ですが実際には、絵の具の節約のためにラップをかけたりしているうちに固まって落ちなくなってしまったりすることも多いようです。
(油絵具は酸素に触れることでゆっくりと固まるので、使い残した絵の具にラップをかけて翌日に使うこともできるのです)

 

 

油絵具というのは、ほかの絵の具に比べて乾燥に時間がかかるのですが、それもあってかパレットナイフで混色したり、捏ねることが多い絵の具です。

学生時代の授業のなかで、先導していた講師の方に急にパレットナイフを貸したのですが、
「これ、妙に手に馴染んで使いやすいな・・・相当使い込んであるね。」と言われました。

それは高校生の頃に地元の画材店で買った初心者向けのパレットナイフでした。
2年程使っているうちに、使いやすく育ってくれていたようでした。

 

 

いま使っているものは工業用のパレットナイフです。
過去に使っていたのと同じものを探しているのですが、なかなか見つかりません。

これはこれで使っていくうちに育ってくれることでしょう。

 

 

美術用品というのは本当にお金がかかります。
絵具代やキャンバス代だけでも相当なのに、他の道具も全て良いものを揃えるのはなかなか難しいことです。

そのような中でも数本の筆やナイフやパレットなど、どこかにこだわりの画材を持って育てていくことは有意義なことです。

道具を育てていくと、それを見るたびに気持ちのスイッチが入るようになりますよ。

さぁ、練習をしていこう。

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