やっぱり硬くて重い質感が好き

美術

 

先月の末頃からアクリル画をかき始めました。
自作の木製パネルに地塗りをしたものにえがいていたのですが、なぜか思うように筆が進まない日々が続いていました。

『やっぱり油彩じゃないとダメなのかな?』
という考えも何度かよぎったのですが、試行錯誤しながらかき続けていく中で感覚が戻ってきました。

 

『わたしは硬くて重い質感が好きなんだ』
忘れかけていた感覚を取り戻した後から、急激に筆が進むようになりました。

 

これは、レモンリーフの葉をモチーフに緑色を基調としたアクリル画。

サクラのアクリル絵具を使用してかいていたのですが、驚くほど緩い絵の具で乾くのも速くて最初は絵の具に振り回されていました。
木製パネルの硬い質感ともあまり相性が良くないと感じました。

これだけ緩い絵の具の場合、薄塗りや、細かい描写、上掛け、にじませる技法をしたいときには便利かもしれません。

 

 

こちらもレモンリーフの葉をモチーフにかきました。
支持体はボードに紙を貼ったものです。

こちらはリキテックスのレギュラー(硬め)のアクリル絵具を使いました。
やっぱり硬さのある絵の具のほうが扱いやすく感じました。

えがきながら押し付ける感覚、まるでペインティングナイフでえがくような力強いタッチでかきました。
硬い筆を選ばないとすぐに筆が痛んでしまうほど強いタッチです。

細部は柔らかい筆を使い、他は硬い筆を使いました。

 

人生の最初の段階で教わったことは、その後の人生に色濃く残るものなのかもしれませんね。
わたしが10代の頃に絵を教えてくださった美術教師の方々は、陶芸や彫刻を専門に制作している作家をされていました。

陶芸をされていた先生は、粘土を使う授業のときに形をつくるための要を成す言葉として、
「おっつける(押す+付ける)」という言葉を多用しました。

彫刻をされていた先生は、デッサンの指導のときにわたしのデッサンに加筆しながら教えてくださったことがあったのですが、そのときの強いタッチにはまるで感電したかと錯覚するほどの衝撃を受けました。

 

わたしたちが日々励んでいることというのは、何気ないかたちであっても他人にも影響をもたらしているのかもしれませんね。

楽しみながらも、切磋琢磨していきたいものです。

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