わたしは毎日、早朝と夕方以降にヨガの修練を続けています。
ヨガに出会ったのは、20代後半の頃でした。
きっかけは、過労で体調を崩し、自宅療養していたときにリハビリとしてヨガを選んだことでした。
当時通っていたのは、自宅から歩いて通える場所にあったホットヨガスタジオでした。
(ホットヨガとは、もとはアメリカなどで教えられていたビクラムヨガが元祖だと言われています。
室温38℃~40℃、湿度55~65%程度の環境の中で行うことで、発汗作用や、体の柔軟性が上がり、身体を温めることで体質改善にもつながると言われています。)
そこで出会ったインストラクターのユカリさんが、わたしの初めてのヨガレッスンを担当してくださいました。
当時のわたしの身体は、長年に渡る思考や行動の癖によって固くなり、歪みきっていて、真っすぐ立つことはおろか、充分に身体の力を抜くことすらできない状態でした。
当然のことながら、ポーズもまともにとれず、レッスンについていくことすらできませんでした。
レッスンを終えて更衣室のほうにトボトボと歩くわたしを、ユカリさんが呼び止めました。
「あなたは、自分に自信がないでしょう?」
「だから、姿勢が前傾気味になっているのよ。」
そのときに、身体だけでなく、心の状態までズバリと指摘されたことに驚いたものです。
「ヨガを続けることで、少しずつ良くなるから続けていきましょう。」
それからというもの、ユカリさんは、ときに厳しく、それでいて寄り添うように指導してくださいました。
そして、通い始めてから半年が経つ頃には、レッスンにもついていけるようになり、背筋も伸びて、真っすぐに立てるようになっていました。
「わたし、小さな頃から病気がちで・・・、不健康な自分が嫌いだったんです。」
と、それまで言葉にすらできなかった、苦しかった思いを聞いてくださったのもユカリさんでした。
それから数年後、ユカリさんは海外で働きながら学ぶためにオーストラリアに旅立たれました。
本当に何でも果敢に挑戦する方でした。
最後に直接お会いした日に、約束をしたことがあります。
「ヨガ、ずっと続けてね」と。
その後、ヨガスタジオで学ぶものだけでなく、ワークショップやリトリートを通じて、呼吸法や瞑想なども学ぶようになり、少しずつ毎日続ける修練のルーティンが増えていって、いまや一日に2時間程度の修練を続けています。
日々のヨガの修練を通すことで得られる、高いエネルギー状態をサットヴァと呼びます。
サットヴァとはピュアで安定した状態のことを言います。
ヨギー(ヨガを学び実践する人)がサットヴァに満ちた状態に至るとき、本人だけでなく、周囲の人たちにもそのエネルギーが波及すると言われています。
サットヴァに至り、それを保ち続けるには、まるで重い腰を上げるような、一時的な労力であったり困難な気持ちを通す必要があります。
わたし自身においても、いまでも、
“あ~、続けるの面倒だな。”
”きょうはちょっと遣りたくないな~。”
などという気持ちや、次々と出てきてしまう言い訳との闘いの日々です。
どちらかというと、何事においても長続きしないわたしが、よく続けてこれたものだと思います。
「ヨガ、ずっと続けてね。」
あの日約束したことが、いまでは永遠の約束になってしまいました。
あの頃よりも、あの時よりもうんとたくましく成長した姿を見て欲しかったです。
これからも、ずっと、ずっと続けていきます。
そして、共に生きる人たちと多くを分かち合うためのサットヴァを高めて保ち続けていきます。
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