今年も梅の土用干しをしました。
梅干しづくりを始めてから、もう10年ほどになります。
毎年、6月を迎える頃になると、下ごしらえした青梅を塩で漬けることから始めるのですが、その際にはとても良い香りが辺りに漂うので、毎回幸せな気持ちになるものです。
今年は梅雨入りが例年より大幅に早かったので、少し心配していたのですが、梅雨明けしてからは、晴れの日が続いたので、天日干しも順調に進みました。
7年ほど前に、義母から手作りの梅干しを分けて貰ったことがありました。
それは、とても塩気が強いものでした。
当時読んでいた食養の本によると、
『濃い塩分で漬けた梅干は、数年置くと塩角が取れてまろやかな味に変わっていく』
と書かれていたので、わたしはそれを瓶に保存しながら、時々おにぎりの具に使っていました。
義父母が亡くなった後には、その梅干しは既に残りわずかとなっていました。
使い切ってしまうのは名残惜しい気持ちがあったので、毎年作った梅干しと梅酢を継ぎ足しながら、ゆっくりと使い続けてきました。
東北の義実家に帰省した際には、義兄弟に少量のおすそ分けを持って行ったこともありました。
「うちでは既に、“秘伝のたれ”のような状態になっているけれど、お義母さんの作った梅干しのエキスも入っているよ。」
などと少しユーモアを込めた言葉を添えて・・・。
ここ一年余り前から、瓶の底の方には煮凝りのようなものができるようになったのですが、それは梅のペクチンという成分が溶け出したものだとか。
食べても問題はなく、むしろ梅のエキスが凝縮した良いものだとか。
古くからある保存食であり、様々な薬効もある梅干し。
いまなお、季節になると量販店でも売られているということは、それだけ作っているご家庭も多いのではないでしょうか。
これからもずっと、続けていきます。
コメント