油彩への想い

Path of love

“やっぱり油彩を再開したい”

 

再び絵がかけるようになってから数か月。

長いブランクを取り戻すべくせっせと制作を続けていたのですが、日に日に募っていく気持ちが抑えきれなくなりました。

 

手元に残っていた油彩用の画材はわずか数本の絵筆だけでした。

高校生の頃に両親に買ってもらった木箱入りの油彩セットも、画学生のときに買い足した画材も、絵がかけなくなってしまった後に転居した際に手放してしまったのでした。

 

絵がかけなくなったあの日から既に18年という歳月が過ぎていました。

新しく何かを始めることにも決心や気力が必要ですが、再開することにもそれなりの決心と気力が必要なものですね。

 

 

 

いまの環境や制作スペースでは、限られたことしかできないけれどそれでもいい。
そして、油彩には他の画材よりも手間がかかることが沢山あるので、それなりの覚悟が必要なことも視野に入れたうえで再開しようと決めました。

 

そして、ひいきにしている画材店に絵具とパレットを買いに行きました。
そのお店では、油絵具はあまり引きがないそうで、プラキャップや色の印刷されたシールが日焼け・褪色しているもの少なくなかったので、それを理由に少し安くしていただきました。

 

いまの環境では充分な換気などが難しいため、溶き油がほとんど必要ない絵画技法でかける色を揃えました。
当面はモノトーン(グリザイユ技法・カマイユ技法)の技法でかいていこうと思います。

じきに環境も変えていく予定です。

環境を理由にして中途半端なことをするのはよくありませんが、制限された中でより良いかたち、より良いものを模索しながら続けることは長い目でみれば貴重な経験になるはずです。

 

 

かつて油彩を学び始めた頃に書店で購入し、5年以上に渡って頼りにしていた教本もいつの間にかどこかへ行ってしまったのですが、ふた月ほど前に古本市で買いなおしました。

長いブランクを経て忘れてしまったことや、若さゆえに落ち着いて理解を深めることができなかったことも多いので、学びなおしを後押ししてくれるに違いありません。

 

社会生活を送りながら制作を続けていくことは、簡単なことではありません。
それはいまも昔も変わらないことです。

それでもいま、確固とした思いを取り戻し、そして始めた頃のようなピュアな気持ちが戻ってきたので、どんなかたちであれど続けていきます。

少しづつ必要なものを補いながら歩むことになりますが、着実に続けていきます。

 

きっと、いまからでも続ける意味はあるから。

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