遊び心の効用

美術

昨夜から油彩をかきはじめたのですが、やっぱり油絵具は乾燥に時間がかかる絵の具ですね。
一般的には薄塗りよりも厚塗りのほうが乾燥に時間がかかります。

また、色によってもそれぞれの成分が違うので乾燥に必要な時間が異なります。
さらには気温が高い季節よりも低い季節のほうが乾燥が遅くなります。

わたしは夕方に制作をする日が多いのですが、きょうの夕方の時点では油彩の続きに入るのに適した乾燥度合いではないと感じたので、代わりに折り紙で貼り絵を楽しみました。

 

 

折り紙を8mm前後の四角形に切ったものを糊で貼るという単純作業でしたが、思っていたよりも楽しかったので画用紙が埋まるまでほとんどノンストップで貼り続けました。

作業の途中で学生時代の実習で制作したモザイク画を思い出しました。
モザイク画とは西洋の古典絵画技法です。

様々な色の石を専用の割台とハンマーで小さなダイス状に割って板にボンドで貼り付けていく作業でした。
石を望む大きさに割るためのコツをつかむまでには練習が必要でした。
全てにおいて根気が必要な作業ばかりでしたが、石の素朴な色合いが美しかったです。

そして完成した瞬間には、まるで数千ピースのジグソーパズルが全てピタッと揃った瞬間のような感動を覚えたものです。

 

 

普段、絵をかいているときにはある程度完成した状態のイメージを想像して逆算を試みるようにかくのですが、今回の貼り絵のような先をあまり気にせず作業する行為は相反するプロセスになります。
それぞれ頭の中の使うところが異なります。

この違いがもたらす効用と面白いところは、逆算しながら進めるプロセスに行き詰ったときなどに、一旦逆算することから離れてみて、今この瞬間に没頭できることをすると、行き詰りの解消に必要な気力が回復することが多いということです。

ひとつ注意することは、ネットサーフィンやゲームなど依存性のあるものはあまりおすすめできないということです。

わたしたちは日常生活においても、先を見越して行動することばかりに重要性を感じがちですが、ときには気分を変えて目の前のことに没頭する時間をもつことも有意義なのではないでしょうか。

 

 

 

 

夜になってから、少し時間ができたうえに絵の具が乾燥していたので少し作業を進めることができました。
まだ始めたばかりですが、じっくりとえがいていきます。

 

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