絵画用パネルづくり

美術

 

ここ数日の間、いくつかの小さな作品を制作するために絵画用パネルを手作りしていました。

絵をかく土台となるキャンバスやパネル、ボードなどを ”支持体”と呼びます。

支持体といえば、画材店などで販売している木枠に張られた状態のキャンバスが一般的ですが、キャンバスには大きさの規格があります。
規格外のサイズで制作したい場合は、パネルや合板で手作りする手段があります。

支持体を構成する材料や、下地の処方、表面の量感や筆の当たり具合(かき心地)なども様々なので、手間をかけて作ることが苦にならないのであればこだわる価値はあります。

 

今回は木製パネルを作りました。
画材店のほか、工具店やホームセンターで手に入る道具で作っています。

 

 

今回は、支持体の材料に ベニヤ板と角材を使いました。
適度な強度を保ちつつ、重量も軽く仕上げたいのでバランスを考えて素材を選びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細部に紙やすりをかけた後に、ヤニ止めシーラーを塗りました。
特にベニヤ板には木の油分が多いので、ヤニ止めの処置をしないと絵肌が変色してしまうことがあります。

その後、下地を塗っていきます。

 

 

 

何十枚も作るのであれば、下地に塗るジェッソ(地塗り剤)も手作りするほうが経済的なのですが、今回は市販のものを使いました。

水性下地なので数時間で乾くのですが、完全乾燥という状態までには数日かかります。
今回使ったリキテックス・ジェッソの場合は、乾燥時間としては1時間~5時間(完全乾燥72時間)と表記されています。

はやる心をなだめつつ、モチベーションを保ちながら待つ時間も大切なのだと思います。
10代、20代のわたしは、この ”待つ”ということができませんでした。

 

このメーカーのジェッソは、わたしが美術を学び始めた中学生の頃からずっと同じ容器なので愛着を感じます。
そういえば、美術用品ってあまりデザイン変更がないですが、愛好家のための配慮なのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地味な作業ばかりですが、良いものを作るために必要なプロセスとして受け止めているので、穏やかな気持で黙々と作業を続けました。

乾燥を待つ間に、下絵を見直して改良点を探してみたりしようかと思っています。

 

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